イギリス南東部にある版画スタジオにて、個人指導やワークショップを定期的に行っています。 腐食に頼るエッチングでも、醤油やアクリルベースのグランドを使うなど、危険な薬剤を極力使わないノン・トクシックの素材や技法を推奨しています。
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設備 : エッチング・プレス機(小)(25cmx60cm) / エッチング・プレス機(中)(Polymetaal 60cm x 120cm)/ 鋳鉄製ブック・プレス / スクリーンプリント用ベッド(スクリーンサイズ 50cm x 60cm) / テーブルトップ・スクリーンプリント用ベッド / ローラー / インキング用テーブル / ドライラック / エッチング用シンク
ドライポイントは凹版印刷の中でも最もシンプルで直接的な版画技術です。
硬質なニードルやルーレットなどの道具を使って金属板やアクリル板などに直接線を描くので、限りなくドローイングに近い手法ですが、 ドライポイントではひっかかれた線の両側にバーとよばれる「めくれ」が生じ、その分インクが多くのせられるため、深くて味わいのある線が表現できることが特徴です。
黒インクで刷ったドライポイントは、特に満足感の得られる完成度になりますが、同じ版でも多色刷りをすると全く違ったイメージの作品にすることができます。
多色刷りには主に、極薄の和紙などを使った「シン・コレ」や、「ドリー」を使って二色以上のインクを一つの版にのせて刷る「ア・ラ・プペ」、複数の版を使って擦り重ねる「多版刷り」などの技術があります。 「多版刷り」では各版がずれないように「見当合わせ」に気を付ける必要があります。
エッチングは凹版印刷の技術の一つで、繊細な線を表現することができるハードグランド・エッチングはペン画に近い版画技法です。
グランドとよばれる防蝕膜でコーティングした金属板を使いますが、ハードグランドとは、熱して乾かしたグランドに線を描くことからそう呼ばれます。 鋭いエッチング・ニードルを使ってグランドをはがすようにひっかいた版を腐食液に浸すと、グランドに守られていない部分だけが腐食し、そこにインクをのせることが可能になるのです。
*スタジオでは亜鉛版を使います
アクアチントは、墨絵や水彩のような柔らかいトーンやテクスチャで面を表現する技法です。
粒状のグランドを版にのせて腐食させるとハーフトーンのような版ができあがり、 腐食時間に変化をつけることで、明るいグレーから深い黒まで、さまざまなトーンの面が表現できます。黒インクで刷ると、特に謎めいた魅力的な画に仕上がります。
*スタジオでは亜鉛版を使います
リフトグランド・エッチングでは、筆やつけペンなどを使って、水溶性のリフトグランド液で描いた絵がそのまま版画になります。
リフトグランド液の上からグランドを塗って乾かし、ぬるま湯につけると、水溶性のリフトグランドが溶けてグランドを版から取り除いてくれます。 その部分だけが腐食されるので、ペインティングや水彩画、墨絵のように、柔らかい線と面によるエッチング作品ができるのです。
*スタジオではアルミニウムを使います
板目木版やリノカットは、凸版印刷のカテゴリーに入る版画技法です。
リノカットはリノリウムという床材を使って版を作る比較的新しい凹版印刷技術です。 彫刻刀などで彫られた版にローラーで表面だけにインクをのせて刷ると、彫った線は無色のままになるため「白線の版画」ともよばれます。
歴史のある板目木版ではハードウッドやソフトウッドなどの木材を板木として使います。 彫刻刀などで彫られた版にローラーで表面だけにインクをのせて刷ると、彫った線は無色のままになるため「白線の版画」ともよばれます。